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共振器内蔵型量子光源 LQ-PS-100

量子インターネットの基幹システムである量子中継システムは、量子メモリ、量子光源、Bell状態測定装置、といったコンポーネントから構成されます。その中で、量子光源は量子もつれを配送するために2光子を同時生成し、1つ光子を光ファイバーで伝送し、残り1つの光子を量子メモリに吸収させます。そのため、量子光源で生成される光子は、量子メモリに最適な波長(λ1)と光ファイバー用の通信波長(λ2 = 1550 nm)の2種類の波長を持つ必要があります。

さらに、量子メモリは吸収できる光の波長帯が狭い特徴を持ちます。そのため、量子メモリと量子光源が結合するためには、量子光源の中心波長を量子メモリの吸収波長に一致させるだけでは不十分で、量子光源の周波数線幅を10 MHz以下へ狭くすることが要求されます。その狭線幅化を行うためには、2光子源と共振器の機構を組み合わせることが不可欠です。吸収波長は、量子メモリの材料系に依存します。Pr3+イオンがドープされたY2SiO5(Pr:YSO)は、固体量子メモリとして使用されている代表的な材料系で、その吸収の中心波長が606 nmであることが知られています。

LQ-PS-100は、量子中継システムに最適化した量子光源です。LQ-PS-100では、非線形光学結晶素子を用いた非縮退型の自発的パラメトリック下方変換(Spontaneous Parametric Down Conversion : SPDC)によって、異なる波長を持つ2光子を同時発生させます。その2波長は、Pr:YSO固体量子メモリ吸収用の606 nmと、長距離通信用の1550 nmになるように設計されています。Pr:YSO固体量子メモリへ高効率で結合ができるように、LQ-PS-100には共振器が内蔵され、606 nmの光が5 MHz以下の周波数線幅を持ちます。更に、Pr:YSO量子メモリのマルチモード性と適合するように、LQ-PS-100も合わせてマルチモード出力となっております。LQ-PS-100には2つの独立した出力ポートがあり、606 nmと1550 nmそれぞれの光をファイバーカップリングによって取り出すことができます。

主な製品仕様

2光子の波長
606 nm + 1550 nm
周波数の線幅
< 5 MHz
輝度
1 x 105 count/s(@606 nm)
由周波数間隔
120 +/- 20 MHz
2光子生成方法
非縮退型SPDC
共振器
ボウタイ型共振器

本製品は、クラス1 レーザー製品について規定している米国の保健福祉省連邦規則(DHHS 21 CFR )Subchapter J に準拠しています。

また、クラス1 レーザー製品の国際規格である(IEC 60825-1)、CENELEC規格(EN 60825-1)および、JIS規格(JISC6802)に準拠しています。